TMO(チーム経営責任者)が組織を変えて、人的資本を活かす姿を学ぶ一冊

「人的資本経営」という言葉を耳にする機会が増えたものの、実態がよくわからないという声は耳にします。

確かに、わかりにくい言葉・概念だと受け止められてしまうのも致し方ないのでしょう。

上林周平さん著(田中研之輔・監修)『人的資本の活かしかた 組織を変えるリーダーの教科書』を読んで理解を深めてみました。

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人的資本経営に取り組むために必要なことは

「人的資本経営」は、会社と個人の対等な関係を前提に、人そのものというよりはその人が保有するスキルや知識、経験に着目します。

企業が必要な時に必要な人材を集めてくるのと並行して、個人も自らの価値観やキャリアプランに従って働く場を選ぶという、ある種ドライな関係と言っていいでしょう。

会社と個人が対等というのは、一番強くインパクトが残る内容です。

対等であるからこそ、ドライな関係、相互依存的なものから脱却できるというのも理解できます。

人物のスキルを重視していくというのは建前ではわかるものの、JOB型雇用などが、なかなかうまくいっていない様子からして、日本のビジネスシーン、会社組織を大きく変えることができるのか、という点が重要なのです。

TMOに求められる7つの能力とそのポイントを学ぶ

私たちはそこで、「人的資本経営」の時代における管理職を「チーム経営責任者」あるいは「TMO(Team Management Officer)」と呼びたいと思います。

課長、部長という肩書きではなく、チームを経営するという役割こそが大事であるという、著者の主張です。

あんてる
あんてる
TMOって、ラグビーの用語で、《television match official》の略じゃないの?主審・副審の他に試合を映像で確認する審判員のことじゃん!違うの?

このTMOに求められる能力を7点挙げています。

1.キャリア支援力

2.強み発見力

3.仕事アサイン力

4.チームビルディング力

5.人材獲得力

6.オンボーディング力

7.全体俯瞰力

本を読み進めていく上で、どれも大切なのは間違いありませんが、現在の管理職にできているのか、と問われると難しいというのが現状です。

オンボーディング力や人材獲得力まで持ちうる管理職なんて、相当レベルの高い大手企業でも一部に限られるのではないでしょうか。

やはり、中間管理職的な役割からすると、経営層から落ちてくるミッションを落とし込んでやらせるという発想が抜け切れていないのが現実です。

本当の意味で、部下・メンバーのキャリア支援力や強み発見まで含めた、観察眼というか、理解が深まるような余裕を持てていないような気がします。

実際に、リーダーは組織とメンバーの成長を促すのに苦労している

リーダーやマネージャーと呼ばれる管理職は、自分の組織が持つ課題や役割を果たすために、メンバーに業務を割り振る程度で終わってしまい、個々のメンバーの成長まで促すようなアクションができるケースは稀です。

要するに、TMOとしての評価スタイルがない以上、彼らは、数値目標の達成こそが全てであり、そのためのエースと問題メンバーを組み合わせながら、なんとかやりくりをしている姿がほとんどです。

メンバーと1on1の機会があっても、型は理解していても、本音で相手のキャリアや強み、個性を理解しきっている管理職は少ないでしょう。

結果として、短期的な成果を求めてしまいがちで、メンバーの中長期のキャリアを伸ばすことは、成果の出る時期が見えないので、後回しにされがちになるのです。

マイクロマネジメントや圧力では人は働いて結果を残せない

私も、数字へのプレッシャーが厳しい組織のリーダーをしていた時は、成果を出すために、究極的なマイクロマネジメントをしていたことがあります。

1時間単位で成果の進捗を追い、動きが遅いメンバーを叱咤するという、古臭いやり方です。

当然ながら、メンバーの士気は上がりませんし、圧力と感じられて不満の声が上がったのはいうまでもありません。

短期的な数字の追いかけでの生産性を追うのであれば、もはや、人間ではなく、AIやロボットのようなものに頼った方が早く、正確なのかもしれません。

いまだに、マイクロマネジメントと、数字だけを追うロジックを語るリーダーを見ると、正直、メンバーの気持ちがついていかないと感じてしまいます。

メンバーとの関わり方を変えて組織を変えるしかない

もはや、人材は資本なわけですから、どこまでもTMO(管理者)は、メンバーとの関わり方を変えて、組織を変えるしか生き残りができなくなります。

著者の勧める7つのスキルを持つ、もしくは、伸ばせる方だけが、チームを率いて結果を出せる存在になりうるのだと理解しました。

組織やマネジメントとして、ドライだと感じる反面、一人一人と向き合い、個性や特性を分かった上で、役割や業務を分けるということが不可欠です。

このやり方に適応できないと、良い組織になれないでしょうし、強い個の集まった集団として成果も出せないのは言うまでもないでしょう。

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投稿者プロフィール

安斎 輝夫
安斎 輝夫
【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。