真実を語っていると受け止められるのか?藤島ジュリー景子さんと早見和馬さんのインタビュー本

インタビューは、相手の素の部分を引き出さないと面白くない。

一方で、都合が悪いことは人は隠したがるもの。

ラストインタビュー 藤島ジュリー景子との47時間』(早見和馬・著)を読みながら、インタビューする側の徹底した準備と相手への眼差しによって、何を引き出せるのか、という点を思い知りました。

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あの一族の一人として何を知っていて何を語るのか

昭和後期〜平成にかけて、男性アイドルたちをたくさん世に生み出してきた、ジャニーズ事務所という芸能事務所の存在。

その事務所を立ち上げた象徴的存在である、ジャニー喜多川氏。

彼が性加害を行なっていたという事実は、昔から週刊誌などに取り上げられていたものの、長年タブー視されてきた。

しかし、この性加害問題は、世間を騒がせたことは記憶に鮮明に残っている人も多いでしょう。

そのジャニー喜多川の姪、藤島ジュリー景子さんが、二代目社長に就任後、表舞台に出るまでは、その存在は、影のようなもので、実像はよくわからないものでした。

果たして、特殊な一族で生まれ、育つ、生きるとは

ラストインタビュー 藤島ジュリー景子との47時間』は、彼女の生い立ちから丁寧に時系列に早見さんが調べ上げて、インタビューに時間をたっぷりかけたものをまとめています。

ジャニーの性加害については「知らなかったでは決してすまされない話だと思っておりますが、知りませんでした」と謝罪動画のインパクトが強く残っているのではないでしょうか。

・知らなかったはずはない!

・無責任だ!

などの批判の声も降り注ぐ中、彼女が何を考えて、前経営者・ジャニー喜多川氏や、メリー喜多川という母の存在。

彼らとジェリーの関係性にも焦点を当てつつ、丁寧に聞き出しています。

良好な関係ではないのに、一族の一人として、事務所のグループを支えてきた存在。

カウンターの二人が亡くなっているため、あくまでも彼女の立場、発言にすぎない。

世間では、信じられない、自己防衛のための本だという声が上がるのも致し方ない。

ただ、彼女は望んで、あの一族に生まれ、育ち、働いていたのか、という点は疑問が残ります。

時代柄、女性は働くよりも、お嫁さん(専業主婦)に憧れていたという思いには嘘は感じられませんでした。

周囲の関係者、取引先、担当アイドルの声がないのでわからない

このインタビューは彼女の記憶、人生を掘り下げているものの、客観的とは言えません。

社内の関係者、取引先、担当アイドルの声を拾っているわけでもないので、立体的に彼女の存在を浮き彫りにしているとは言えません。

彼女が会社や担当アイドルたちを支え、貢献してきたことは事実ですが、彼女でなければ実現できなかったことなのか、と問われると、創業一族の二代目という立場が成し得た話だと感じる部分は残ります。

過去のエピソードも含めて、語られる範囲でも、世間一般の同年代の女性(男性も含みますが)とは異なる、特殊すぎる環境にいたことは事実。

それだけに、多くをオープンに語らない人たちは、藤島ジュリー景子さんをどのように見ているのか、という点は読み進めるほどに気になっていきました。

実像と語られている内容はイコールではないけれども

一方で、作家である、早見和馬さんが、本当に関連する資料を読み込み、何を聞かなければならないかという点は、準備万端で取り組まれていたことがわかります。

決して、芸能レポーター的な目線ではなく、一人の女性の人生の中で何があったのか、どう思ったのか、真実は何と捉えているか、などを納得いくまで聞き出そうとしています。

だからこそ、インタビューの中では、真摯にジュリーさんが答えているように感じます。

ただし、実像と語られている内容はイコールなのか、と言われると、脚色とは言わないまでも、究極的に都合が悪いところはカットしている可能性もあるし、自己擁護したいものも含まれているのではないかと考えてしまいます。

以前、週刊誌を騒がせた彼女のキャラクターなどは、周辺の方が語るパーツをイメージ化していたので、それも事実とは異なるのだろうと推測できます。

彼女がインタビューに真摯に答えているように見受けられるのは、読者として騙されてしまっているのかもしれないというスタンスは崩さないで読むのが良いのでしょう。

時代を作り上げた裏方の一人としてのリスペクトと彼女のこれから

さまざまな意見、コメント、考えがあるのは十分理解した上であっても、ジュリーさんが、男性アイドルグループの時代を作り上げた裏方の一人であることは間違いありません。

問題・トラブルもあったでしょうが、そこまで世の中に爪痕を残してきたことには、リスペクトしたいと思います。

表舞台に立ちたくない彼女が経営者を降りて、性加害問題の補償に目処が立った先、どんな人生を歩もうとしているのか、という点に興味が残ります。

もちろん、ここから第一線で大活躍することはないとしても、何を彼女の娘に伝えて、どう人生のエンディングを迎えていくのか、という点は、興味として残ったというのが、この本の印象です。

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投稿者プロフィール

安斎 輝夫
安斎 輝夫
【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。