「東ロボくんは、東大に入れない」AIは万能ではない!
2018年15万部突破のベストセラーで気になっていたのが『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』(新井紀子著)でした。
新井さんは、国立情報学研究所教授、同社会共有知研究センター長。一般社団法人「教育のための科学研究所」代表理事・所長。という素晴らしい肩書。専門は、数理論理学です。
2011年からスタートした人工知能のプロジェクト「東ロボくん」のディレクタを務めてきた方だけに、この1冊のテーマは、リアルな語り口が続きます。
開発者の一員である新井さんが、東ロボくん(AI)では、東大に合格できないと断言している点です。
確かに、開発が進み、模擬試験では、MARCHレベルの大学には合格できる偏差値を叩き出せているのに、東大は無理だと言い切れるのは、コンピューターは論理的な演算できる機械であって、国語の読解力、意味を問うことはできないという事実に驚かされました。
今までの検索では物足りなく、意味検索が欲しい、と思うけど
AIスピーカーが徐々に広がりを見せているのだから、私のイメージとして、スピーカーに話しかければ意味検索ができると期待していました。
単語からの意味を調べるのではなく、伝えたい意味合いを伝えれば、自動に言い換えてくれるような機能。会話の中で、ふと出てこない言葉を、周辺のヒントから当ててくれるような存在。
AIで文章が書けるからライターやブロガーはいらなくなるという話も聞いただけに、文章の読解力がないならば無理があります。
東ロボくんに、例文を大量にインプットしても、適切な表現や答えを出せない国語と英語。
人間は、ロボットには負けるわけではない。シンギュラリティなんて怖くない。それは甘い見込みでした。
中高生が「東ロボくん」以下の読解力しか持っていない!!
新井さんは、ゆとり教育の問題を批判するのではなく、単純な調査結果として、中高生の読解力が低いことへの警鐘を鳴らしています。
ご期待に添えなくて申し訳ないのですが、今のところ、「こうすれば読解力が上がる」とか「このせいで読解力が下がる」と言えるような因子は発見されなかったのです。
読解力なら、人間の存在意義があると自信を持てたのに、現在、日本人の中高生は著しく読解力が落ちていることが突き付けられます。その解決策が具体的にないという言葉に衝撃を受けました。
多くの人が成人するまでに教科書を正確に理解する読解力を獲得していない。―――この状況をなんとかしなければ、AIと共存せざる得ないこれからの社会に、明るい未来予想図を描くことはできません。それは、個人にとっても、社会全体にとっても同じです。
読解力、しかも、難解な文章というよりは、教科書の中身を読み解ける読解力レベル。
その程度のことも理解できないとしたら、私たちは、早急に手を打たなければいけないと。
確かに、本をしっかりと読む子供やお受験をする子供たちは、読解力を磨いて、成長していきます。一方で、ゲームや日常に流されて成長していくと、読解力が身に付かないまま、中高生になっていきます。
そのまま、大人になると、AIには絶対に勝てない。社会としての損失を予測して、早く手を打たなければならない。
ただ、読解力を高める方法というのは、本を読む、考えるという行為以外で、磨く方法が浮かびません。
まずは、教科書の中身(意味)を理解してもらおう
難しいことは言えないので、とにかく教科書の中身、意味を理解してもらう。
さて、AIにはできない、自然言語を理解するという教育をどこまでやれるのか。
英語早期学習、プログラミング教育、体験学習もいいけど、やはり、読解力がなければ、各種の文章が理解できないとしたら、困るはず。一日も早く手を打たなければいけません。
あなた自身の読解力は大丈夫ですか?
身近な子供たちに読解力があるかどうか確認してみませんか?
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【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。