対談本は、組み合わせ次第で面白くもなれば、かみ合わないものもあります。
故:野村克也監督と、ホリエモン(堀江貴文氏)が対談したらかみ合うのでしょうか?
実は、企画が進んでいたのに、野村さんがお亡くなりになったために実現不可能かと思いきや、発信量の多い二人から、組み合わせと編集をさせると一冊の本、『夢中力 (光文社新書)』に仕上がっているのを読んでみました。
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変り者でも筋が通ってる二人
堀江貴文氏や故・野村克也元監督が、もし、直属の上司だったり、仕事の関係者だったら喜べるだろうか。
正直、変り者で、言葉がとがっている二人だけに、傷ついたら、イラっとするような嫌な場面を想像してしまう。
離れた距離にいるからこそ、二人の言葉や考え方は、自分にインストールできるポイントを見つけようという気持ちを保てるのです。
二人とも天才のようだけど、常人にない戦略を支える知恵と恐れないチャレンジ力がある
名監督・知将の野村監督は、高卒で、自分の能力を磨き続けるために、データを活用し始めた最初の野球選手(捕手)です。
結果として、三冠王も取得し、歴代トップクラスの実績を残しつつ、長年、南海やヤクルト、楽天、阪神で監督でチームを導いてきました。
一方、堀江貴文氏は、東大を中退して、インターネットの世界で起業し、事業を急成長させたものの、ライブドア事件で逮捕されるという経歴。
その後、様々な事業を手広く展開する存在として、ファンや仲間を抱えつつ、アンチも多い。
どう考えても、二人はかみ合わない存在では、と思っていたのですが、本の中で、共通点を見出しています。
「一見かみ合うところがなくて『ミスマッチ』のようですが、そ
の実、『思考の方向性』が驚くほど合致していますよ。それを集め ると絶対面白い。 まず「IT」と「ID」。お互い、情報やデータを活用するところ 。(『夢中力 (光文社新書)』)
彼らは情報・データを重視・活用することで、結果を出してきました。
自ら運命を切り開いてきた存在~知恵と戦略~
名家出身のプリンセスでもなく(どちらかというと、庶民)、自分の知恵で勝負するために、今までの常識とは異なるため、批判や非難もされてきた点も共通しています。
恐れないチャレンジ精神をもって、前に進んできた人生だからこそ、賞賛に値する人物なのです。
「「チャンス」は、人を選ばず巡ってくる。まず自分が変わってみ
よう。「宿命」は変えられないが「運命」は変えられる。」(『夢中力 (光文社新書)』)
チャンスをつかむために、知恵と戦略を粘ってきて、運と実績をつかみ切った点は、私のような一般の人間には、考えさせられるポイントでした。
そして、信用と信頼の大切さを語るあたり、裏切られることを織り込み済みな二人は、見返りも求めていないのです。
「そして「信じる」には、「信用」と「信頼」がある。 「信用」は、文字通り信じて用いること。 「信頼」は信じて頼ること。だから見返りを期待してはならない。
」(『夢中力 (光文社新書)』)
ここまで言い切れるのは覚悟の裏返し、他人に対して過度な期待を持たないことで、割り切れる部分を持ち合わせているようです。
情報やデータに貪欲であるべき!
「情報の「量」が「質」をつくる。データを豊富に「準備」すれば
、おのずと「未来」が見えてくる。だが、人間は忘れる動物。 情報を繰り返し伝えること。」(『夢中力 (光文社新書)』)
一番、私の胸に刺さった部分は上記の部分でした。
結局、社会は情報戦でしかなく、量と質を求めるために、徹底的にデータを集めて準備することを怠らない点にこだわれるかどうか、という話。
野村監督の時代は、そこまでITが進んでいない自分は地道なデータを蓄積しながらの分析を、手元に数字を集めて、自分の頭で徹底的に考えていたはずです。
ホリエモンになれば、本質に近い情報・データを素早く集めて、自らの頭で感が抜いて決断しています。
その結果、発言や考え方が、世間の常識とズレると、炎上などの騒動につながり、物議を生みます。
私自身、大学入試は、一年浪人して合格したのですが、現役受験の時は、明らかに無策で、ひたすら勉強するだけでした。
一浪になってからは、最低限、受験に必要な知識を身に着けて、赤本(過去の各大学の入試問題本)を説いて、自分のウィークポイント、出題傾向、合格最低点などをもとに、どこは受かる、厳しいという自己判断ができていました。
もちろん、情報やデータは、ブレるときもあるのですが、基本は大きく変わらないので、合格可能と自己判断した大学には合格し、合格困難という予想をしていた大学には不合格になりました。
事前に、自分への間違った期待感を抱いていなかったので、納得の大学受験でした。
その後も、ことあるごとにデータや情報を読み込み、理解して、予測を立てるというアクションができると、勝てるパターンばかりです。
もちろん、数字やデータを理解しきれていないと、手が施せないので、運頼みのようになるので、失敗しても後悔しないように腹を括っています。
夢中になれたのは好きだから本気に取り組めた
二人のエピソードや言葉を見ながら、タイトルがなぜ「夢中力」だったのかを振り返ってみました。
自分の好きなこと、得意なこと、興味があることに、無我夢中でのめり込んできたのが二人の共通点でした。
他者よりも深く、広く、考えるために、正しいと信じる答えを見つけるために、情報やデータを徹底的に集めて、分析し、アクションにつなげる。
いたってシンプルなのに、ここまでこだわるからこそ、勝ち続けたり、負けても納得できる戦いにだけ、二人は挑んできたというのが理解できました。
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【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。