【児童書】『サード・プレイス』で学生たちの居場所を作る大切さを感じる

「サードプレイス」という言葉が、どれだけ一般語として知られているのでしょうか。

全く知らない人も大勢いるのは、具体的なエピソードがまとまってないので、概念的な言葉として理解するにとどまっていると予想しています。(まだまだ、私が頑張ってアピールしないと)

地元の公立図書館の検索で「サードプレイス」を調べてみると、1冊知らない本『サード・プレイス (フレーベル館 文学の森)』がヒットしました。

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児童書のテーマに「サードプレイス」を持ってくるとは!

サード・プレイス (フレーベル館 文学の森)』は児童書のジャンルに含まれますが、中学生あたりがメインターゲットな気がするので、ジュニア向けのコーナーに置かれそうな1冊です。

果たして、中高生たちにとって、「サードプレイス」という言葉が刺さるのか、理解できるのかという点は、疑問を持ちつつ読み始めました。

読み終えてみると、なるほど、子ども・学生たちにとって、自由が利かない世界で生きている姿を考えて、ドロップアウトしそうな一歩手前の子にとって、「サードプレイス」は必要なのだと感じました。

子どもたちには、やりたいことを自由にやって良い場所が必要

周りとうまくいかない子どもにとって、学校もその友達もしっくりとこないもの。

瑞希、ダイ、ぴよっち、亮の4人の物語。

当然、家族(親)との考え方の違いもあると、日々、学校も家庭も居心地が良くないと感じるのは理解できます。

昔であれば、その場合、悪い友達に引き込まれて不良になるというコースがありましたが、今どき、明かなコース外は流行りません。

日々、楽しくない毎日を過ごしている彼らにとって、自由に自分がやりたいことを見つけて、企画も準備もして楽しむ場所というのは、必要です。

屋外の公園で学年関係なく楽しく遊べる時代(ガキ大将がいた時代)など、誰も知らない状況なのですから、仕方ありません。

とりあえず、習い事と塾とか、予定を埋められたものをこなして疲れていくなんて、悲しすぎます。

この物語に出てくる「中高生の秘密基地 サブリガーデン」には、彼らに加えて、大学生のボランティア、大人たちも優しく寄り添ってくれています。

丸投げして好き勝手やるには、どうしていいかわからない彼らにとって、関わっていくと楽しい場所で過ごす日々はかけがえのないものです。

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習い事や塾のような受け身で型通りのものではない自由さが必要

親としては、学校以外にも習い事や塾などに通わせて、本人の適性を見つけて伸ばしていこうという気持ちはわかります。(お金がかかるのが難点)

でも、結局は、カリキュラムや型にハマって楽しめる子以外は、正直、受け身であって、楽しくできていない様子も伺えます。

だからこそ、級やバッチなどで、気持ちを盛り上げようとしていますが、結局は、本人次第。

もちろん、民間学童も含めて、学びながら楽しめるところもありますが、自主的でとはいえません。

自由に自分でデザインできるような人材を将来求めたいならば、没頭できてハマる環境を自ら作っていくように仕向けていかないと成長も喜びも感じられないはず。

子どもたち・学生にとって居心地の良い居場所の提供は急務なのかもしれません。

児童館のハロウィンパーティの企画は小学生たちが自由にやっていた

我が子が小さい頃に、一緒に地元の児童館のハロウィンパーティの企画に参加したことがあります。

児童館の職員が大枠は作りながらも、小学校高学年を中心に企画をまとめて、準備をしていた様子。

周辺を仮装してパレードをするとか、幼児も遊べるゲームを考えるとか、この1日に向けて、頑張ってきた様子が伝わってきました。

自分たちで考えて、作り上げる経験をどこまで周りの人間(先輩、大人たち)がサポートしてあげられるかどうかが鍵を握っているように感じました。

さらに言えば、季節イベントとしてではなく、自主的な企画から一緒に捉えて準備ができればいいのですが、そこまでの余裕はなかったように感じました。(季節イベントを実現した!という体裁は100%だったという意味)

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同級生ではない、他学年、大人とも関われる場がないと社会性は身につかない

サード・プレイス (フレーベル館 文学の森)』を読んでいて、先輩後輩といった縦の硬い関係性ではなく、緩やかな経験者としてのアドバイスを自然に伝え、仲間を広げている点が、素晴らしい物語になっていると感じました。

昔のような、先輩への敬語や絶対服従といった縦社会の文化は、表向きにはなくなっています。

ただ、親切で、お節介かもしれないサポートをしてくれる存在は、同級生以外にいることが学生たちにとっては必要です。

結果として、彼らには社会性が身につくし、サードプレイスの理解も進むことで、人生のバランスや広がりが生まれていく期待感で終わる内容でした。

ただ、この本のような環境を作るには、周りの大人たちの度量や配慮、促しがうまくいくことが前提で、場所だけを作ればうまくいくと短絡的に考えてはいけません。

サードプレイスを作り、そこで何をして、誰と関わって、どんな展開が生まれるのか。

その個人の経験や知識が第三者にも伝えられていけば、居心地の良い居場所が社会に増え続けていく未来が生まれてくるのです。

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投稿者プロフィール

安斎 輝夫
安斎 輝夫
【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。