ムロツヨシという役者は、コメディでクセのある役をこなせて、強い存在感があります。
脇役であっても十分光るのに、彼を主演として映画を作るとしたら、どんな作品になるのだろうと、漠然と考えていました。
「マイ・ダディ」で牧師&父親という役柄はユニークで彼らしさが画面いっぱいに伝わってきました。
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牧師&父親の御堂一男(ムロツヨシ)は娘と二人暮らし
牧師であり、父親でもある御堂一男(ムロツヨシ)は娘と二人暮らしをしているという設定。
まあ、いかにも優しそうで、人の話を聞いて、金儲けに走らなそうなイメージにぴったりなので、実際に、こんな人物がいるかもしれないというリアルティを感じます。
娘とどんな関係を築くのか、という意味では一人の父親でもあり、自然なコミュニケーションの二人が微笑ましいものでした。
牧師は人々を救う存在でありながらも一人の人間だ!
ストーリーの肝になる部分は、娘の病気を救いたい父親が、隠された真実を知って、どんな行動を起こすのか、という1点に尽きます。
衝撃な事実に向かい、心が締め付けられそうな姿でも、娘の命を救うために、全力を注ぐ姿。
感情を晒して、泣きじゃくり、苦しむ姿は、牧師をしている穏やかな雰囲気とは異なり、人の親であれば、誰もが共通する部分なのだと感じます。
どんな職業、役割、キャラクターがあったとしても、一人の人間として生きることは変わりありません。
少しだけオーバーな演技であってもわざとらしくない
ムロツヨシの演技は、コントなどのコメディをやっているときも、少しオーバーな印象を与えているでしょう。
今回も、そこまで感情をむき出しにしたり、突飛に感じる行動を起こしてしまう演技に、わざとらしさを感じることはありません。
おそらく、脚本を読み込み、役になりきって、感情表現を出し切っているのが伝わってくるから、すんなりと受け止められます。
ムロツヨシ以外の役者さんが演じたら、この主役の牧師は違っているのは間違いないと言えるはずです。
家族の中でオーバーアクションをしなければいけない場面は誰にでもある
「マイ・ダディ」を見ながら、ふと感じたのは、自分も家族との関係性の中で、オーバーアクション的なことをしている時があるので、共通の言動がありそうな気がします。
喜怒哀楽を、多少、演技のように見えても、本気でやらないといけない場面ってあるのではないでしょうか。
先日、我が子が、私のことを「あいつ」という呼称で気軽に呼んだので、本気でキレて、怒りました。
「俺は、自分の親のことを「あいつ」なんて失礼な呼び方をしたことなんてない!」
この1点だけで怒り続けていました。
もちろん、私自身に聴こえないところで、どんな呼ばれ方をされても分かりません。
でも、耳に入る場所で、相手に対して、使ってはいけない呼称を使うのは、この子の人生にとって、絶対に良くないと感じた以上、容赦なく説教をして、謝るまでキレてました。
一方で、冷静な自分自身は、どこで矛を収めるべきなのだろうと考えてもいましたが。
この「マイ・ダディ」の中での、ムロツヨシのように、オーバーアクションに思えるような感情表現をしなければ伝わらない時が、誰にだってあるのです。
カッコつけずに等身大な姿で演じることが共感を呼ぶ
「マイ・ダディ」は、ムロツヨシがカッコつけることなく、自然体の延長で演技をしているので、肩の力が入らず、ラストまで見ることができました。
人生の中で隠されていた事実に向き合い、命の危機に接した時に、人間の真の姿が露見するのだと思います。
等身大の演技というのは、映画向きではないと批判される方もいるのは承知の上で、こういう作品も私は評価します。
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【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。