「えこひいき」が売上げ拡大の鍵になる!
昨年末、ろばた焼き「海賊」の春山社長に、お店の「エコヒイキ」のノウハウをどこで身につけたのか?と聞きました。これらは、他の店舗(業態)でも実施しているものを真似したのでオリジナルではない、と教わってから、気になり続けていました。
誰かが、優良顧客との関係維持ともいうべきファン作りのマーケティングのノウハウをまとめているかもしれないと考えて、調べていました。
そこで、このノウハウの提唱者と思われる、高田靖久さんの『お客様は「えこひいき」しなさい! 3倍売れる「顧客差別」の方法 』を見つけたので、Kindleで購入して、隙間時間に読み始めました。
「お客様を成長させる」という言葉に違和感が残ります。「えこひいき」をすることで、お客様は満足するでしょうが、全ての方に「えこひいき」ができるわけではありません。その区別がどのようなもので、具体的な事例を知りたくて、読み進めました。
お客様に商品だけでなく、最高のサービスを提供するという使命は素晴らしい。ただ、大事なお客様というレベルに対しては、その最高以上のサービスを提供しようというものが、「えこひいき」に対する考え方。
最高を越えたサービスといえば、サプライズを顧客に与えるようなもの。それを一部の顧客だけに提供することで、売上げが伸びる。確かにわかるが、一般の顧客は不満を持つことはないのだろうか。「えこひいき」されない顧客の思いが心配になりました。
2:8の法則のように、どんなものであっても、全体の一部が大きな割合を占めているという事実は変わらないのはわかる。3割のお客様のお陰で、売上げの大半がまかなわれているのもデータを取ればわかるだろう。そのような顧客販売管理システムとしてのデータベースを提供していた、高田さんならば、説得できるのは間違いない。
では、この上位3割の顧客だけに付加価値の高いサービスとして「えこひいき」すれば、他の7割の顧客を成長させなくても構わないのだろうか。
そんな疑問に際して、売上げ貢献度の違うお客様に同じサービスを提供することで、残念な思いをされるという話がでてきます。
「いつもの◯◯」という商品やサービスを覚えていてもらえることや、「◉◉様」と名前を覚えてもらえたら、自分は上位顧客だと優越感に浸れる。その程度のことで、人は馴染みの店として利用し続けるのだろうか。いつか、もっと良いサービス提供者が現れたら、離れていってしまうような感覚が、個人として消えませんでした。
世界最高のホテルとして名高いリッツ・カールトンの体験から、「世界最高レベルのえこひいき」の姿を語られていきます。
リッツ・カールトンは顧客のためならば、従業員が1日20万まで自由裁量でコストをかけられることは書籍などでも有名です。しかし、全ての顧客を平等に扱うのは無理があります。
何度も利用されるお客様に関しては、細かなデータを共有し、「えこひいき」なサービスをするお客様を選別していると言います。世界のリッツ・カールトンで共通のおもてなしを受けたり、自分だけの特別サービスで喜ばせてもらえることで、顧客側の優越感は高まります。
だからこそ、「リッツ・カールトン」の顧客サービスは世界最高レベルという伝説が伝わり、他のサービス業以外にも、サプライズを起こす為に、何ができるのかということを教えてもらえます。
やはり、究極的に、お客の好みに関わる情報を抑えること。覚えたうえで、全スタッフ・従業員が共有できるという姿勢が必要なのです。ベテランや特定のスタッフと一部の顧客だけが有効な関係であっては、最高のサービスとは言えず、個別の信頼関係を全体にシェアできている体制こそが必要なのが理解できました。
具体的な「えこひいき」アクションについて、マイレージカードサービスの特典について、航空会社のJALを事例に述べられていきます。
ポイントカードにスタンプを押すのでは、顧客に取っては嬉しいものにはなりません。財布の中に、よくわからないポイントカードだけが増えても嬉しくありません。次の利用の機会には、手元になくなっていれば再発行です。別段、特別なサービスではないのは事実。
JALの4段階に分けるマイレージは、航空機の利用頻度に寄って、空港や機内で受けられるサービスを分けていくスタイルでした。(現在は、カード会社との提携が増えて、便利になりつつ、JAL以外のサービスとの関連が出ているので、特別感よりは、有効なポイントカードに近いイメージに変わったような気がします)
空港のラウンジが使える、客室乗務員に名前を覚えてもらってサービスを受けられる、一つ一つサービスは、少しだけグレードがアップしていることで、特別感を得て、第三者に「JALは良い」という口コミを起こさせるきっかけになる。
そして、グレードをステップで分けることで、楽しみながら、もう1つ上のステージに行きたい、落としたくないという思いが、顧客側に生まれる。結果として利用頻度も維持できる。
ランクアップシステムという言葉。この魔法の仕組みが「えこひいき」を生み出して、顧客の満足も高めていけるという点に注目して、外食・美容関係に展開されてきたのが高田さんのビジネスということはわかりました。
この満足感こそが口コミを生み出し、利用回数として頻度を高めて、上位顧客を離さない仕組みとして、提唱しています。
マーケティングは値引き合戦はしていはいけない。顧客が増えても、利益が出ないので自分の首を絞めるという話は何度も耳にしていました。
それを変える施策として、上位顧客に対して「えこひいき」するという仕組み。確かに、グレードによって、提供されるサービスが違ったら、優越感を得て嬉しくなります。
ろばや焼き「海賊」の春山社長が、「街の小さな店でもできるのが、えこひいき」と仰った意味が、この1冊で納得できました。
自分で店舗やサービスをお持ちの方は、一読されることをオススメします。
<高田靖久さん本>
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【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
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