サードプレイスの場所や環境、人との交流について考えるために「もくもく会」と「Zoomミーティング」を対比してみます。
「もくもく会」って楽しいのだろうか?
今、エンジニアを中心に「もくもく会」というものがあるのをご存じでしょうか?
とりあえず何らかのテーマに興味のある人が集まって各自がもくもくと作業するというものです。正直言えば、図書館の自習室で試験や受験向けの勉強をするものに近い存在と考えます。
もくもく会ポータルによれば、下記のようにゆるく定義づけられています。
もくもく会とはカフェとか誰かの家とかに集まって、それぞれ各自もくもくと勉強したり作業したり本を読んだりするだけの会のことです。…(略)…ハッカソンよりもっとゆるい感じで、もくもく作業するだけで別に成果物を発表したりしなくてもいい、という適当な雰囲気の集まり…(略)…
これって楽しいのだろうか、という疑問は残るものの、周りに同じことに取り組む人がいるだけで集中力が増す感覚はわかります。
ある意味、カフェであっても、リラックスする、自分の時間を満喫する、などのゆるい目的で足を運んで、1人で過ごせば、もくもくとしている人は見かけます。もちろん、商談や友人との会話を楽しんでいる人もいますが。
この「もくもく会」に向いているのは、お互いへの干渉を深くしないことだと思います。
「Zoom」だとどうなる?
では、「Zoom」だとどうでしょうか?
◆ Zoom(ミーティングとチャット)
Zoomは、スカイプと同様に、音声と画像を共有できるツールです。無料と優良版がありますが、通常の会話ベースであれば、場所が離れていても、利用できます。
サードプレイスという観点では、一緒に交流する時間を持つことがポイントになります。ミーティングというか、交流会というか、表現はまちまちですが、一緒にお互いの意見のやりとりがしやすい通話コミュニケーションが可能になります。
「もくもく会」とは反対で、何もしゃべらないと成り立ちません。
最大の特徴は、お互いの時間さえ調整できれば、集合場所が不要になる点です。東京と大阪などの離れた場所であっても対応できます。
100人まで同時接続ができるとすれば、長時間でなければ、1つのテーマで、定期的に開催することが可能になります。
また、セミナー主催者から、招待URLを受けとり、指定の時間に、そのURLをクリックするだけでセミナーに参加できるのです。オンラインミーティングやセミナーにも向いています。
地域を越えて、個人の都合を踏まえるとZoomなどのオンラインツールにチャレンジしたい
私は、現在のサードプレイス・ラボを月1回、定期的に会場を借りて開催しています。
日程と場所の都合で参加できないという方に対して、申し訳ない気持ちがしています。
また、私自身も、特定の会場を借りるということに対してリスクが伴っています。事前に場所をキープするという点でも負担は避けられていません。
さらに、全国各地で開催したいと思っても、時間的制約も含めると厳しいと言わざる得ません。少人数でも良く、地域を越えても、リアルタイムで顔を見ながら交流できるという点では、新しい活動領域を広げるうえでは、どうしてもチャレンジしてみたいと考えているものなのです。
リモートワークなどのように出社せずに働く人にとっても、定期的なミーティングはZoomやスカイプを有効活用することがポイントになります。100%在宅のもくもく作業だけでは、息が詰まるでしょうし、新しいアイデアが生まれてきません。
もし、オンラインツールを使いこなせば、リアルに人と会わなくていいのか、という質問を受けたとしたら、私は、No!と答えます。やはり、頻度が変わっても、Face to Faceな場と、オンラインな場を併用する必要があると確信しています。
世の中で広がっている、オンラインサロンも、基本はオンラインでつながりつつ、オフラインの接点として、リアルなセミナーであったり、交流会、食事会などを大切にしています。
あなたも、お客様やプロジェクトへのサポートや支援に、移動時間をかけずに、オンラインツール(Zoomなど)を使ってみませんか?
いや、今の私には、この分野の師匠が欲しいです。(本音)
【追記】2020年コロナでZoomの注目度アップ
このブログ記事は2018年6月に書いたものですが、2020年、新型コロナウイルスの影響を受けて、オンライン会議ツールの「Zoom」の利用者が増えて、注目度が大幅にアップしました。
インターネットというオンライン環境で人と人がリアルタイムで交流するものといえば、古くはチャットなどのテキストでのやりとりができるツールがありました。
今は、チャット機能は補完機能としてついている双方向のオンラインツールが利用できる環境に変わりました。(望む・望まないにかかわらず)
とにかく、人が集まるための場所を問わないということは利便性が圧倒的に高いものです。
ビジネスならば、打ち合わせする場所、会議室や外部のスペースを確保・調整するのが大変だった面があります。
Zoomなどのオンライン会議ツールを使うことで、時間はオンタイムである必要はありますが、気軽にタイミングが合えば、複数人の参加者と時間を共有できます(有料・無料アカウントの違いはあります)。
2020年4月時点での現状の課題は、3つ
1つ目は、セキュリティ問題です。
Zoom爆撃などと言われた問題行為があった通り、勝手に会議やミーティングに第三者が飛び込めてしまうという状況があり、ビジネスでの使用が躊躇されるケースが目立ちました。
結果として、マイクロソフト社のTeamsやグーグル社のGoogle Meet(ビジネス)、Googleハングアウト(一般ユーザー)、シスコシステムズのWebex(音声のみ)、Skypeなどの競合ツールとの競争が激化することが予想されます。
2つ目は、ルールやマナー、トレーニングなどのユーザー利用レベル問題です。
不慣れなツールを使ううえで、自らの音声をオフにする「ミュート」機能や、顔を見せる・見せないなどを判断する「ビデオ」機能などの使用方法は、まだ、全ての人に行き渡っていません。
当然ながら、ルールやマナーを早急に構築しようという流れはあるものの、認識の違いもあり、明確なルールブックができるかどうかも微妙です。
しかも、回線などの通信事情によって音声や画像が途切れるというトラブルは消えていません。(ユーザー側の環境に帰属する問題)
3つ目は集中力と疲れの問題
いつものメンバーの集まりをオンラインにすることであれば、それほど抵抗感はないのかもしれません。
ただ、知らない人同士が交流するようなイベント、ビジネスの顧客訪問などのシーンには、まだ、Zoomなどのオンライン化には課題が残っているように感じます。
まず、相手との距離感が画面上だけなので、人によっては集中力をかなり投下しなければいけません。おそらく、1件あたり、30分程度の商談でも疲弊するでしょうし、参加型のセミナー(視聴するタイプのセミナーは別)だと、2時間はオンラインで耐えられないと感じます。
これは、時間や機能の拡張性で解決するのかもしれませんが、今までとは、時間管理やタイムスケージュール感を変えて取り組まなければいけない課題として、今後、クローズアップされてきます。
オンラインが軸になるとオフラインは格別なモノになれないと廃れる
今までは、人と人が会って話をする、多くの人がリアルに集まるイベント(オフライン)には価値がありました。
質はともかく、規模感・スケールがインパクトでした。
これからは、オンラインが中心の軸となっていくことで、オフラインは格別なモノにならないと廃れてきてしまう可能性があります。
「わざわざ集まんないといけないの?」
異業種交流会もオンライン名刺(Eight)が広がるでしょうし、出会いだけならマッチングアプリと合コン機能をセットにして、個別はチャットで、本気になったら二人で会うみたいな、流れが増えてくる可能性があるのです。
ストリートライブよりも、Youtubeライブ配信などからミュージシャンが誕生して、それを視聴することに課金(時間当たりでの料金設定になるのか、わかりませんが)を生むような仕組みが電子決済とセットになっていくのでしょう。
決して、一昔前のバーチャルではなく、リアルがオンライン化しているのです。
それだけにオフラインは、どこまでも価値を提供できないと、淘汰されてしまう。
本当に大変な時代がやってくると思います。
生き残っていくために適応しましょう、それしかないですから。
「もくもく会」もオンライン化が進む
この記事の前半に書いた「もくもく会」も完全に、オフラインな場所に集まるものから、オンラインにシフトしていきます。
わからないところや雑談・会話を少し入れる程度で、個別には黙々と仕事ををするように何かに夢中になる個人が集まるスタイル。
結果として、実力も、個人の能力もガラス張りに近づくので、偽物や弱い者は厳しい立場に追い込まれる未来が予想できます。
リモートワークやテレワークも在宅中心、もしくは、近隣のカフェなどで行うとして、今後、なってくると、無駄な会議も「もくもく会」と似たように、個人が好きなことをやりながら、短時間でコミュニケーションを図るように変わっていくんじゃないでしょうか。
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投稿者プロフィール
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【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。