地域のサードプレイスと関係人口の時代だから『地域とゆるくつながろう!』から学ぶ

地域とサードプレイスを組み合わせると明るい未来が見える。

ここのポイントは「ゆるくつながる」ということ。

事例が分かる一冊『地域とゆるくつながろうーサードプレイスと関係人口の時代ー』石山恒貴編著(法政大学大学院教授)を読んで考えてみました。

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サードプレイスと関係人口の時代が時代のキーになる

本のサブタイトルにも含まれている関係人口というフレーズが、地域のサードプレイスを考えるうえでは大事なポイントになります。

このような社会の機運を反映して、総務所の研究報告書では関係人口という考え方が提唱されました。報告書で関係人口は「長期的な『定住人口』でも短期的な『交流人口』でもない、地域や地域の人々とたように関わる者」とていぎされています。(15P)

この報告書とは、総務省(2018)『これからの移住・交流施策のあり方に関する検討会報告書ー関係人口の創出に向けてー』が出典元となっています。

地方・地域に移住する、U・I・Jターンという生き方は取り出されて長くなりますが、なかなか踏ん切りがつかなかったり、仕事や地域環境になかなか馴染めずに苦しんでしまったり、簡単に大成功とは言い切れない話も耳にします。

だから、二地域住居(デュアルライフ)に向かう方もいますが、この場合、生活費や移動費がかさむため、コスト面での負担も大きかったり、子どもの教育などに関してはスムーズにはいかないことがハードルになっています。

頻繁に観光に行く場所、親の実家などでどこまで関わるかというか、やはり、交流人口に留まります。

むしろ、地域に貢献して、Win-Winな関係といえば、ふるさと納税などの寄付のほうがわかりやすいかもしれません。

関係人口とは地域の仲間として貢献したいという気持ちを持って行動をしている人を指しているので、スタイルもやり方も人や環境によって異なっています。

ただ、いずれせよ、関係人口として関わる地域を複数持てることが、都市と地方の問題にブリッジをかけることは間違いないでしょう。

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地域の課題を解決するには、人のつながり=サードプレイス をゆっくりと広げていけるかどうかにかかってる

地域とゆるくつながろうーサードプレイスと関係人口の時代ー』の中では、法政大学大学院の石山恒貴さんの研究室の院生の皆さんが、1つ1つの地域フィールドの環境にかかわり、丹念に書かれている章で構成されています。

離職中の女性たちの活躍、地方と都市部の人のつながり、高齢化、子どもの教育など多岐にわたる事例が書かれています。

地域固有の課題でありながら、日本社会が今抱えている共通の課題ばかり。

完璧に解決したとはいえないものの、地域の人と、そこに関わる関係人口に該当する人々が一緒になって、取り組んでいます。

一昔前の社会問題や紛争に向かおうとする、決死の姿とは異なります。

私の学生時代は、ちょうど、過渡期的で、古い紛争対立の時代の後で、社会的な問題に関しては不満を抱えていても、一定の距離感を置いて冷めた感覚が漂っていました。(バブル崩壊後だっただけに、景気も悪く自分に近いことにしか興味も余裕も持てなかった)

この数年、社会関係性を大事にする時代にシフトして、地域で自分が何を取り組めるのか、誰と何をするのか、ということにフォーカスが当たるようになっています。

結果として、「地域のサードプレイス」に関わる様々な活動は、各地で生まれて、広がりを見せています。

大事なポイントは、この「地域のサードプレイス」に関わる人たちが生き生きと楽しんで、笑顔があふれている点に尽きます。

本の中で取り上げられている事例には、サードプレイス(NPOや団体など組織形態はさまざま)には立ち上げたキーマンがいて、そのキーマンを支えるサポーターがいます。

ゆっくりとゆるやかな組織と目指すべき姿を思い描きながら、前に進んでいきます。

もちろん、この本に載っていない事例も世の中にはたくさんあって、順調に展開できていないサードプレイスも山のようにあるのは想像できます。

大きな団体、組織になる必要はなく、ゆっくりと広げているかどうかにかかっています。

最初から、何年以内にと時期をリミットするビジネススタイルだと、関係者へのプレッシャーが重くのしかかりすぎてしまいます。

楽しむはずのサードプレイスが義務感や責任が重くなることで、活動が縮小、解散する可能性が出てくると、私は考えています。

拡大こそが全てでもなく、関わる人にとって幸福感が得られることが地域のサードプレイスの基本であり、出入りや参加としての関わりあい方も比較的自由なものです。

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周辺の人と関係する人の距離感がどうなるのか

地域のサードプレイスを運営する当事者と関係人口的な役割を果たす人々がいるのは理解できます。

では、地域のサードプレイスの周辺の人はどんな距離感を保っているのでしょうか。

特別な活動、政治的であったり、特定の利益誘導型に見えてしまうと、対立軸を生んでしまいます。

サードプレイス周辺の人も気軽に参加したり、関われるメリットを生み出せるかどうか、一緒に楽しいと感じてもらえるかが距離感を縮めたり、協力者になってもらえる関係性を築けるかに影響を与えています。

ちょっとした場所、モノを貸してくれるだけでも、サードプレイスへの貢献だったりします。

薄い接点から始まる良好な関係が、徐々に広がって、双方の距離感を近づけてくれば、盛り上がりは究極的に地域のお祭り・イベント的な色合いを持ってきます。

行政、町会レベルだけが主導するものと異なり、義務感よりも貢献意識にスライドしてくることで、サードプイレス(組織名や目的はそれぞれ異なって構いません)が地域の中で、認められていくことになります。

各地の100人カイギが地域を巻き込むサードプレイスになれるだろうか

今、首都圏各地で広がっている地域の100人カイギの存在をご存知でしょうか?

「100人カイギ」は、会社、組織、地域に“身近な人”同士のゆるやかなつながりをつくるコミュニティ活動です。

ゲスト100人を達成いたら解散するというゴールを設定して運営している活動です。

「同じ会社に勤めていても、1度も話したことがない人がいる」

ある時ふとこんなことに気づきました。
会社規模も様々ですが、すぐ隣の席の人ですら話をじっくり聞いたことがない。

視野を広げていくと、

  • 「同じ建物に多くの人が出勤しているのに、エレベーターで会っても一言も話さない。」
  • 「(私の会社がある)港区にこれだけの人が集まっていても、ほとんど知らない」
  • 「地方で生まれ、地域に根付いた仕事をしていても、意外と接点がない」

と感じるようになりました。

最初はただ、隣のビルの人の話を聞きたいと思い、堅い話抜きで話せるイベントを開催してみました。すると「こんなことをやっている人がいるんだ!」という発見が多くあり、また参加者同士がお互いの話に触発されていく様子が、素直にすごく面白かった。それが始まりです。

毎日どこかで「100人カイギ」が行われているような世界があるといいなと思っています。

100人カイギ founder / 見届け人高嶋大介

実際に、各地の100人カイギに参加すると、地域に根差した活動をされている方の話をリレーで聞けるし、そこから名刺交換や交流がスタートしていくのを見受けます。

運営ノウハウも固まり、順調に進んでいる100人カイギもサードプレイス的な活動です。

ただし、この活動の未来に、本来の目的交流型のサードプレイス的なものが、広がって増えていけるかどうか、ゆるやかな関係性を点ではなく、線にできるかだと、私は見ています。

運営側のメンバーは結束力と行動力に伴い、人脈が広がっていくことは間違いありません。

地域を巻き込むとしたら、最終的には、地域マップ的なものまで完成できたら、ラインナップをアーカイブにできて、自由に調べたり協力者を募ったり、参加できる企画を調べられるDB(データベース)にまで、まとまったら、この活動はそれぞれがリンクして輝きと価値を高めていくのかもしれないと期待しています。

◆ 100人カイギ・・・お近くの関係する地域の100人カイギに参加してみませんか?

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それぞれの地域は、住む人、関わる全ての人にとって居心地が良い場所であってほしい

私が、地域のサードプレイスに求めたいものは、住む人、関わる全ての人にとって居心地の良い場所であってほしいと願っています。

地方に行くと、国道沿いには、どこにでもある有名なチェーン店やショップ・飲食店が並んでいます。

ここは、どこの街なんだろう。地域の個性って消えかかっていいものなのだろうか。

そんな気持ちに駆られてしまいます。

だからといって、「道の駅」を作ればいいという話とも違うと思います。

同じパッケージすぎるものを並べたところで、真似をしているだけで、個性や特徴がありません。

観光客もファンも増えている地域には、個性と特徴、ストーリーが成り立っています。

関係人口を増やして、年代も性別も国籍も関係なく、楽しくかかわっていける地域のサードプレイスの活躍する場面が増えていくことに期待をしたいと思っています。

忘れてはいけないことは、地域のサードプレイスもポイントはゆるくつながることです!!

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おそらく、私は、地域型のサードプレイスやその他のサードプレイスをハブとしてつなげる存在となっていく、サードプレイス同士のコネクターというポジショニングを得た人間になりたいという野望、大志を抱いています。

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投稿者プロフィール

安斎 輝夫
安斎 輝夫
【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。