日本の昔話からの逸話で「わらしべ長者」というものがあるのをご存知でしょうか?
「わらしべ長者」とは、ある一人の貧乏人が最初に持っていたワラを物々交換を経ていって、最後は大金持ちになる話です。(有名ですよね)
今回、この「わらしべ長者」作戦について考えてみます。
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人のつながりも「わらしべ長者」戦略が大切
わらしべ長者といえば、日本のおとぎ話がベースになって広がっています。(『今昔物語集』および『宇治拾遺物語』に原話と言われるものが存在するそうです。)
ある一人の貧乏人が最初に持っていたワラを物々交換を経ていくにつれて、最後には大金持ちになる話である。今では、わずかな物から物々交換を経ていき最後に高価な物を手に入れることに対する比喩表現としても使われる(Wikipedia 「わらしべ長者」より引用)
物々交換を経て、お金持ちになるというミラクルストーリーですが、実は、人とのつながりでも「わらしべ長者」戦略が大切なのです。
いきなりメジャーな自分を目指すのではなく、目の前の人との関係性から広げよう
自分をメジャーな存在したいと願う人は世の中に多くいるものですが、突然、スターとして世間に認められるというのは奇跡に近い話です。
もちろん、SNS時代ですから、確かに、自分が会いたい人にダイレクトにアプローチすることは可能です。(昭和のファンレターを送るより簡単!)
でも、相手から見ればその他大勢の一人に過ぎないと、なかなか返事すらもらえないのは仕方のないこと。
遠回りに感じたとしても、目の前の人と関係性を築き、憧れの人の話をすることで、相手の記憶に残り、どこかでつながりの種を撒いておきます。
「わらしべ長者」というと、物々交換で得をしていくようなイメージがあるかもしれませんが、実際は、お互いのニーズを満たして、一歩ずつ進んでいく流れに注目すべきです。
だからこそ、目の前の人との大切なコミュニケーションの先に、自分が目指すもの、つながりたい本当の相手を見出すことができるのです。
自分の力や存在なんて拭けば飛ぶようなものだから
自分に自信を持たない人生なんてつまらないものといえますが、自分の力や存在を過信するのは危険です。
所詮、一人でできることなど限られています。
だからこそ、自分を引っ張り上げてくれる人を見つけたい気持ちは誰にだってあります。
ダイレクトに本人に連絡を入れても、ほぼスルーされるのは仕方ありません。
だからこそ、遠回りになるとしても、目の前の人としっかりとコミュニケーションを取りつつ、この人、こんな世界に辿り着きたいと伝え続けることに価値があるのです。
少しずつであっても、着実に、人の紹介やつながりを経て、見つかるのは、六次の隔たり(知り合いを6人たどることで、もっとも遠い距離にいる任意の人物とも知り合いになることができる)が実現できる可能性があるのですから。
「わらしべ長者」戦略とは具体的にどんなことが起きる?
私自身が、具体的に思いつく「わらしべ長者」戦略について3件ほど事例をあげてみます。
事例1:サードプレイスの論文を探したから、石山先生に会えた
アカデミックに、サードプレイスのことを研究している資料を調べていたら、法政大学・大学院教授の石山恒貴先生と知り合うことになった話も、「わらしべ長者」の話です。
発見した論文をブログに書いたことで、石山先生や片岡さんに見つけてもらい、石山ゼミのイベントに定期的に参加させてもらったり、サードプレイス・フェスにつながるご縁にも展開していきました。
私が、地域のサードプレイスという存在をゼロからリサーチしたら見つけられない状態を、石山先生を経由して発見できて、新しい方とつながれるという喜び。
今も、緩やかに広がっているので、「わらしべ長者」戦略は最強だと思えるエピソードです。
事例2:いただいた柿を配ったら、りんごやみかん、他のものに変化する
私の実家から、毎年、会津の「みしらず柿」が箱で送られてきます。
少ない家族で一箱の柿を食べ切るのは無理なので、お裾分けという形で、知り合いに配っていきます。
正直言って、食べきれない量だから、もらっていただけるだけで助かっているのですが、いただいた側は、喜んでくれて、結果として、何らかのお返しをしてくれます。
りんごやみかんなど、他の果物に化けることもあれば、一緒にご飯を食べに行く、どこかのお土産をいただく、という広がりを見せます。
そんなに果物が好きそうなら、知り合いの梨農園の梨狩りに、と誘ってもらえることまで生まれてきます。
他にも、予想だにしない頂き物になって返ってくるケースも何度もありました。
単純に、余ったものだから、人に売ってしまうというのもシェアの時代でスタンダードですが、必ずしも、目先のお金に替えなくても、他のもの、新しい何かに繋がっていくということを、会津の「みしらず柿」から感じています。
どちらかといえば、物々交換系の「わらしべ長者」戦略なのかもしれませんが、これが、本来の語源からするとスタンダードなのかもしれません。
事例3:サードプレイス・ブリッジ(2021年末開催)も「わらしべ長者」戦略
2021年末に開催した「サードプレイス・ブリッジ」もコミュニティとコミュニティをつないでいくというコンセプトのもとで展開しました。
結果として、私の知り合いの紹介してくれたコミュニティに参加したり、協力してもらい、人と人がつながり、不可思議なことが生まれていきました。
知り合いの知り合い同士がつながり、私自身の周辺でも驚きの話が散見しました。
この結果、私が会いたいと思っている人とも、どんどん知り合い可能性が高まっていると感じます。
私は、インタビュアーのお手本として、いつか、阿川佐和子さんと話をしてみたいと思っています。
「わらしべ長者」戦略は物々交換だけでなく、人と人をつないで新しい可能性を導く
物々交換としてステップアップしていく不思議な物語としての「わらしべ長者」ですが、戦略として考えると、自分の近しい人をつないでいくことで、新しい可能性が生まれます。
もちろん、自分のためだけでなく、知り合いの依頼を受けて、コツコツと誰かを紹介したり、アイデアを提供しても構いません。
あなたが媒介者となって、知らぬ間に、すごいことが生まれるきっかけに関わることだってあるのです。(大体の場合、その背景を知らないほど無意識か、忘れているのですが)
堂々と、「わらしべ長者」戦略を掲げて、自分の目指したい相手やゴールを設定して、その思いを言葉にして、周りの人に伝えてください。
大半の人は、聞き逃したり、相手にしてくれないでしょう。
たった一人でも、その思いを頭の片隅に置いてくれて、何かのきっかけでバトンをつなげてくれれば、未来は見えてきます。
思っているだけではダメなのです。自分から発信して、本気で伝える機会を持ち続けましょう。
あなたにも「わらしべ長者」戦略は、絶対に有効ですから。
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【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。