【Netflix】「極悪女王」(2024年公開)ヒール役のダンプ松本を演じた、ゆりあんレトリィバァがすごかった

このインパクトのある画像を見て、「ダンプ松本」だ!と気がつくのは、昭和生まれ世代に限られるでしょう。

しかも、誰が演じているのかが、想像できません。

それだけに情報が解禁されて、ゆりあんレトリィバァが演じていたと知った時は驚きました。

そもそも、彼女が吉本所属の芸人さんだとも知らない程度だったのですが。

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時間をかけて、身体を作って本気で取り組んだ作品の熱量

「極悪女王」という作品でダンプ松本が主役になるストーリーが用意されていることは知っていましたが、なかなか公開されませんでした。

大きなトラブルでも抱えているのかと疑いたくなるほど、まもなく公開(coming soon)が長いと感じていました。

2年近くの時間をかけて、作り上げた、6時間弱の大作が作られるには、プロレスラーではない女優たちが身体を鍛えてきたことが伺えて、実際に、視聴した際に、熱量が伝わる作品に仕上がっていました。

女子プロレスラーが、かっこいいアイドルだった時代がある

「極悪女王」の舞台となる、1980年代あたりまでは、日本の女子プロレスは、若い子(特に女性)にとって、かっこいいアイドルとも言える存在でした。

つまり、女性アスリートそのものの領域が狭く、身体を張って、相手と戦うのは女子柔道ぐらいで、そこまで激しいものを求めていない時代。

だからこそ、ベビーフェイス(善玉役)は、人気を博した一方で、ヒール(悪役)は忌み嫌われる存在として、対立する姿が必要でした。

ただ、男性のプロレスラーのヒールほど、凶器を武器にした攻撃や相手を流血させるような行為をするまでには至らなかったのです。

ダンプ松本という存在が、極悪同盟というユニットを組み、クラッシュギャルズという、当時、最高に人気があった、ベビーフェイスコンビである、長与千種とライオネス飛鳥に立ち向かう。

マットの上だけでなく、会場内を暴れ回ることで、全日本女子プロレス興行会社は大いに儲けることができたのは言うまでもありません。

テレビで放映されていたこともあり、人気コンテンツでした。

なぜ、松本香が、嫌われるヒール役「ダンプ松本」になったのか?

この「極悪女王」の主役である、松本香(ゆりあんレトリィバァ)が、物静かで体力もない、ただぽっちゃり系の存在が、日本国内で嫌われるヒール役の「ダンプ松本」に変わっていったのか、という点に注目してもらいたいです。

一般女性の人並み以上の体力と根性を持ち合わせていても、あえて、水着で戦う道を選択するということには、女子プロレスの魅力があり、誰もが花形選手を目指していたのでしょう。

実際は、お客に人気のあるスターが誕生し、ある程度のシナリオの上で相手と戦い、ファンに満足してもらうエンターテイメントの世界。

家庭環境に問題があり、自分が憧れた世界にチャレンジした、松本香は、親友と信じていた長与千種との関係が変わってしまう苦しみの果てに、自分をヒール役として対抗すべき役割に変えていく変化。

メイクを変え、本格的な凶器を振り回し、相手を流血させ、観客に嫌われることで、誰もが知っている存在の「ダンプ松本」へと変貌していきます。

本格的なプロレスシーンも立派でしたが、この変化のプロセスを丁寧に描いてくれることで、なぜ、松本香が「ダンプ松本」に変わったのかが伝わってきました。

今の世の中なら誹謗中傷レベルでバッシングを浴びる

冷静に見れば、ヒール役というのは、ベビーフェイスという善玉役を輝かせるために必要であって、演じていると悟られるものでしょう。

ただ、当時のダンプ松本は、様々な思いを抱えて、本格的なヒールであり続けようとして、相手とも口を聞かず、一緒に行動しない姿勢を貫いています。

今の世の中なら、SNSなどで誹謗中傷の嵐に身を置くレベルなので、事務所に刃物の入った手紙や罵詈雑言を浴びせられます。

それだけ見るものを陶酔させる力があったとはいうものの、一人の人間の胸の内としてはどうだったのだろうと考えさせられるものがあります。

高度な技を繰り広げるわけでなく、ものすごい煽りのトークを持つわけでもなく、見た目と態度、行動をヒールに振り切ることで、話題を振りまくというのは、セルフプロデュースとして、わかっていたとしても、心が壊れそうな領域です。

ヒール役としてのダンプ松本がいなければ、クラッシュギャルズというベビーフェイスも輝きを保てなかったのも事実。

善悪の分断の世界を強調することで、人が熱狂しやすいのはどの時代も一緒です。

ドロドロしていた部分も描けるのはNetflix作品の魅力

地上波のドラマや通常の映画作品では、描けない世界を作り込めてしまうのは、Netflixがスポンサーや社会的な批判(クリーンであろうとする高潔すぎる倫理観)を意識せず、視聴ユーザーからサブスクリプションで課金しているから成り立っているのは事実。

少し前であれば、WOWOWぐらいしか、社会にキレ込めるような問題作は作れませんでした。

自分が月額のコストを支払ってまで、自らの意思で見ようとしているならば、限界に近い表現も許される世界に、人々が喜んでいるという姿。

地上波のドラマが予算もストーリーもクオリティもチープになっていると言われるのに、2年間もの時間をかけて、オーディションから出演者を募り、肉体改造まで行ってしまう本気度。

ゆりあんレトリィバァが「部活」のようだったとネットニュースなどで語るエピソードは、作品に向けた取り組んだ関係者の本気度がわかるポイントです。

痛い思いをして、怪我もしたことでしょうし、スタントマンのような第三者に吹き替えないとしたら、自分がその役になりきって演じなければならない。

その当事者(当時の女子プロレスラーたち)が生きており、質が低いものは許されないというプレッシャーもあったことでしょう。

コンテンツは安価で消費されて、コスパ意識ばかりの社会だと揶揄されるのに、そのカウンターに位置する存在として、Netflixのオリジナル作品の価値があります。

このこだわりと予算があることで、品質を上げられるのは、各国のコンテンツが世界進出までセットで成し遂げられるという仕組みにあります。

日本でヒットしたらから、吹き替えや字幕版を海外に流通させるのではなく、世界同時公開でチャレンジからスタートできることで、苦労した演者やスタッフの価値が爆上がりするという設計にこそ、リスクを背負ってでも、出演したり、制作したくなるのは納得です。

地上波のコンテンツを無料で提供するというビジネスモデルの価値の崩壊を物語っているという時代の終焉を感じるのも、Netflixのパワーだと認めざるえません。

出演者の関わるイベントや情報提供で熱量の拡散も見事

Netflixの見事さは、作品公開時に出演者が関わるイベントが多彩であり、情報提供を積極的に行い、視聴者を増やし、SNSなどで話題を作って拡散力も見事だという点でしょう。

今回の「極悪女王」だけでなく、日本発の作品たちも、出演者が積極的に作品を見てもらうための活動を全力で支援しています。

それは、作り上げるまでにかけたエネルギーを自分の力で多くの人に届けたいという姿勢であり、利害関係者を意思した無理やりの番組出演(ドラマ番組改編期にバラエティに出演して宣伝をするような)とは違います。

間違いなく、ギャラも高い作品であり、拘束力も厳しく、エネルギーも投下したからこそ、多くの人に届けたい思いに注目が集まっています。

まだ、「極悪女王」を見ていない方、是非、Netflixで視聴してください!

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投稿者プロフィール

安斎 輝夫
安斎 輝夫
【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。