「キャリア開発」を型ではめ込む時代は終わった
最近、色々な人から、「3年後、5年後、10年後、自分の仕事はどうなっているのか?どういう時代になっているのだろうか?」という話を耳にしたり、話すことが増えた気がする。
私は、未来予測ができるような人間でも、予言者でもありません。
ただ、1つだけ言えるのは、今までの延長戦に未来のキャリア・働き方はないというイメージは間違っていないだろうというストーリーだけです。
20代でこんなキャリア・経験を積んで、30代でこういうポジションで、40代で、50代で、という年齢によるキャリアの想定ができる時代は、もう終わってしまったと、なんとなく感じている人が不安をもっているように見受けます。
私も同じ気持ちを持っていますし、もしかしたら、あなたよりも、その思いは強いのかもしれません。
セオリーとしての「キャリア開発の型」が通用しないということは、自分の将来像が具体的に見えてこないと安心できないという人は増えています。
一方で、未来にワクワクしている人たちも増えています。どんな方たちなのでしょうか?
未来にワクワクしている人たちとは
では、未来にワクワクしている人たちは、どうなのだろうかと、相手のことをよく見てみます。
(1)自分がやりたいことを公言して、そのゴールに向けて夢中になっている。
(2)未来に対して、不安はあるが悲観はせずに、楽しいイメージを語れる。
(3)1つのことに固執せず、いろいろな分野にアンテナを張って、活動している。
他にもいくつか、ポイントはありますが、この3点を掘り下げて考えてみましょう。
(1)自分がやりたいことを公言して、そのゴールに向けて夢中になっている。
「海賊王に、俺はなる」
「ワンピース」って大人気なんですよね。
私、このフレーズとストーリーの概要しか知りませんけども。
ルフィは高々と、宣言しているのは自分のなりたい姿について、恥ずかしがらずに言い切っている点に、誰もが惹かれるのではないでしょうか。
自分は、ここを目指すんだ、という明確な意志を持って公言(宣言)してしまうこと。
ある意味、自己暗示のようで、周りにも伝わるメッセージ。
こういう「キャリア開発」のゴール設定って素晴らしいです。
もちろん「おれは社長になる」では、あまりインパクトはありません。
普通を飛び越えて、自分がなりたいオリジナルなものを言葉やビジュアルにしておきましょう。
(2)未来に対して、不安はあるが悲観はせずに、楽しいイメージを語れる。
日本社会の未来、自分の将来について、どこまでも楽観視できるという人はいるのでしょうか。
高齢社会、人口減、AIによる仕事・職種などの変化、個人の病気・死など、必ずしも明るい未来ばかりを思い描けません。
不安になると、無謀に思えるチャレンジを躊躇して、無難な策に向かい、労力もお金も節約に向かいます。
人生のリスク管理という意味では、正しい考え方のアプローチのように見えますが、楽しさを感じられません。
未来の自分がどんな姿になっているか、ワクワクできるストーリーを笑顔で語れる人は、強い運も引き寄せているような印象がします。
「キャリア開発」をロジカルなステップだけで考えてしまう真面目すぎる人には、遊びの部分が少ない傾向を感じます。
未来の自分を楽しく語れる人は、自分の目指す「キャリア」が苦難の道のりであろうとも、明るく振る舞えるだけで、周りから支援ももらえています。
(3)1つのことに固執せず、いろいろな分野にアンテナを張って、活動している。
もっとも大事なのが、固執しないという「キャリア開発」として、アジャイル(agile)なスタイルで過ごしている人です。
システム開発の用語である、アジャイルですが、「作りながら考えましょう」というスタイルです。
完璧にプラン立てをして、ステップを踏んで積み上げるのは、元々、理想的な「キャリア開発」のように考えられていた傾向があります。
他人から見ると、注意散漫であったり、多動のある困った人に見えかねません。
堀江貴文氏(ホリエモン)などが良い例で、いったい何をメインにしているのか、さっぱりわかりません。パラレルの極みで、自由に生きている人物なのは間違いありません。
(世間の常識感とはズレがあるように受け取られてしまいますが、若者を中心に支持者がいるのも納得できます)
でも、たった一度の人生を、1つのことに絞って生きるのではなく、興味があることにアンテナを張って、まずは調べてやってみる。気に入れば、続けてみる。関連分野に手を広げてみる。
もしくは、全然、新しいことに積極果敢にアタックしてみる。失敗したって構わないし、自分に合わなければ、そこでリタイヤすればいい。
自分と合わなかったり、失敗したことも、自分の経験値になるので、今後のキャリアのヒントが生まれるのです。
人と出会い、経験を積み重ねることで、新しいキャリアを見出していく。それも、同時複数にアプローチする人が増えています。
キャリアの作り方を一直線から、ステージに分けるポートフォリオにシフトする
日本の教育制度や企業や団体の組織階層のように、ステップを踏み上げるものは、一直線のゴールを作るキャリアには必要なものでした。
「二足の草鞋」というと、一人の人間が、普通は両立しないような仕事を一人ですることをいう故事です。
時代が変わり、副業解禁の流れで、1人の人間の活躍するフィールドが自由になってきました。
例えば、社会人のインターンシップとして、会社を越えて成長企業にサンカクするサービスがあります。今までの自分を変えるような出会いに拡がり、異業種での経験を積めて、腕試しができるそうなので、可能であれば、試してみるのも良いでしょう。
複数の仕事・キャリアを構築するには、一直線のキャリア開発ではなく、ポートフォリオ型になります。時代の変化や状況次第で、柔軟に比重を変えたり、働き方や専門分野の軸をシフトできるのが特徴です。
この考え方と年齢による自分の体力・知力などのパワーも踏まえて考えているのが、大杉潤さんの「トリプル・キャリア論」です。
会社員として勤める時期、独立起業して拡げる時期、自分のどうしてもやり遂げたいことに絞る時期を年齢も考慮している点が秀逸です。
一直線のキャリア開発だと到達したゴールとなってしまいます。「トリプル・キャリア」なスタイルであれば、本当にやりたいことを体に無理のない範囲で、いくつになっても続けていけるということがポイントです。
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【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。