『NETFLIXの最強人事戦略』は厳しい採用よりも明るい未来を見据えた解雇まで語る

人事部門と言えば、入退社や制度を整えたり、教育研修をしっかりと整えている役割です。

日本で言えば、解雇の通告までをすることはないのですが、ネットフリック(NETFLIX)社の人事戦略は、私たちの価値観とは違うものを感じれる一冊に出会いました。

明るい未来を描くために解雇するという発想を受け入れられますか?

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ネットフリックス社の人事戦略は明るい未来のための解雇にある

NETFLIXの最強人事戦略 自由と責任の文化を築く』(バティ・マッコード著)は、今年、随一のオススメ本だと教えてもらえたので、期待感満点で読み進めました。

人事戦略本で、人材の解雇をここまで明るく書いている本は初めて読みました。

人事関連本は、採用ノウハウ、人事考課・評価システム、もしくは、経営者による求める人材への理想像を語るようなものが多くあります。日本の雇用において、解雇というのは、アンダーグランド的というか、暗く特別な状況下でしか経験しないものというイメージが強く、オープンな話題にはなりにくいのが現状です。

日本では、終身雇用の正社員が主力であり、業務の補完として、契約社員、パート、派遣社員、アルバイトなどを採用する考え方であるため、有期の雇用関係でない、いわゆる円満であれば定年まで在籍できる関係を、企業側からお断りする「解雇」というのは、ネガティブになるのは仕方ありません。

一方で、転職市場が活発になることで、人材側は、より良い条件や環境、などを求めて、自由に動くことが普通な時代になっただけに、それでも同一企業に残って働くという安定感を大切にしたい人から見れば、解雇は大問題となります。

ネットフリックス社の場合、スキルが業務と合わないと判断された場合、優秀な人材を社内で囲い込むことなく、本人に市場価値を知る為に、転職活動による評価を得ることを推奨しています。さらに、部門の求めるスキルと合わないならば、積極的に他社へ優秀な人材として放出する姿勢を貫いているのです。

イメージとしては、プロ野球の資金的に裕福でない球団が、優秀な選手をポスティングシステムでメジャーに放出するのに近いかもしれません。(実際は、マネーゲームの要素が強いので、同じと言えない面はありますが)

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不当解雇が繰り返されていれば、今回のような本は出版できない

企業の事業や方向性、求めるスキルとして合わないことを否定的にとらえずに、最適な環境へ送り出すというアプローチだけに、退職後も友人・知人としての関係がキープできるという話も書かれているので、驚かされました。(日本であれば、解雇された企業の関係者と、その後密接なつながりを築くのは難しいと考えるのが普通でしょう。)

一方で、雇用関係のトレンドワードになっている、「エンゲージメント」に意識がシフトしているため、ネットフリックス社の会社の求める事業とスキルに合わなければ、社内異動よりも、社外を促す考え方は異質であり、斬新な印象が残ります。

エンゲージメントとは、社員の会社に対する「愛着心」や「思い入れ」を表すものと解釈されますが、より踏み込んだ考え方としては、「個人と組織が一体となり、双方の成長に貢献しあう関係」のことをいいます。(日本の人事部 「エンゲージメント」より)

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採用を楽観視できる経営者やマネージャー、人事担当者はいません。優秀で活躍が期待できる人材は、多くの競合の中、勝ち取らなければならないので、自社の価値と文化、将来の姿を伝えながら、条件面なども折り合いをつけるのに必死になる。

つまり、某IT系企業などのように、食堂や休憩スペースの充実などといった、福利厚生や環境面で素晴らしいから愛社精神が芽生えて、ネットフリックス社で働くのではなく、事業で活躍すること、それに見合う高額な給料を支払うことで成果を出すというシンプルな関係は、ドライというよりも、何のために働くのかに集中していることが、同社の成長の源泉にあると理解できました。

ネットフリックス社が映像ストリーミング事業で成長を続ける理由を考えてみる

私は、今まで、動画配信サービスは無料のものを活用していました。例えば、GYAO!で映画やドラマ、アニメ、オリジナルコンテンツを見ていました。

動画配信、映像ストリーミングが流行る前は、ゲオネットワーク社のぽすれんで宅配DVDレンタルサービスを月額固定料金で利用していた時期があります。

ビデオレンタルショップに足を運ぶことなく、延滞料が取られないサービスは画期的だと感じていました。月額課金というサブスクリプションモデルを使うユーザーとしては、もし、利用しなければ無駄なコストになるので、何とか最低限必要な本数のDVDを借りて見たくなります。

実は、この宅配DVDレンタルサービスの月額固定料金制は、利便性と中毒性の中で、はまっていたのですが、DVDプレイヤーがなければ見れないという欠点が生まれます。

スマホやタブレットに触れる時間が増えると、当然、DVDプレイヤーをポータブルで持ち歩くことがなければ、利用頻度が減ります。

結果として、自由さを求めると、どこでも、いつでも、短い時間でも利用できる、映像ストリーミング・動画配信系にシフトしていきます。

時代は、Youtubeを楽しむ人が増えて、短い動画コンテンツ(クオリティは別)が大量に増えて、スマホで気軽に見れるようになりました。

ネットフリックス社は、2007年1月に、コアビジネスをストリーミング配信サービスに展開。ゲーム機やインターネット接続テレビ、スマホなどのデバイスを広げていきました。

当然、デバイスが不問、DVDの在庫を抱えず配送返却がないとすれば、事業を世界に展開しやすくなります。(2017年末時点で、190ヶ国以上でサービスを展開)

コンテンツも既存の映像だけでなく、オリジナルコンテンツとして映画(1本もの)、ドラマ(複数回に分けるもの)などに広がっていきます。

制作側としては、映画配給を関係者間で様々な調整するよりは、制作に集中してコストを投下することができます。結果として、クオリティの高い作品を作り上げて、評価されていきます。

しかも、オリジナルコンテンツなので、ネットフリックスユーザーになり月額固定料金を払わなければなりません。

既存の映画・劇場関係者、テレビ番組制作者などからすれば、月額課金型の動画配信(映像ストリーミング)サービス提供者は邪魔者に見えるかもしれません。

個人の時間は有限です。何を選ぶのかは、コストや利便性に左右されます。

今後、映像を見るデバイス環境が多様になればなるほど、コンテンツの価値に重点は置かれるのは確かです。まだまだ、ネットフリックス社は成長を続ける未来が予測できます。

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投稿者プロフィール

安斎 輝夫
安斎 輝夫
【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。