自分の人生のエンディングを『ライオンのおやつ』(小川糸)で考えてみる

死を意識したブログ記事は書きたくないと思っていますが、小説の展開であれば避けられません。今回、小川糸さんの『ライオンのおやつ』を読んだのも偶然に過ぎません。

ハラハラドキドキするような展開が大好きな方にはオススメできないですが、読んでみれば誰もが自分の人生の終わり方を考えさせられる1冊だと感じました。

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『ライオンのおやつ』小川糸

『ライオンのおやつ』のストーリーには著者の思いや体験が溢れてる

たまたま、妻が読んでいた1冊を貸してもらったのがご縁で、『ライオンのおやつ』に出会えました。

タイトルから、動物園の話なのか、アフリカの自然の中の話かと思いきや、全然違っていて、当初、説明がないまま話が展開されていくので、主人公が誰で、どんな展開なのかが全くわからないままスタートしました。

数ページ読んで困ったと感じた私は、Google先生で調べて、著者の糸通信【小川糸】公式サイトのページで、この一冊への思い(『ライオンのおやつ』)を読んで、納得とイメージを広げて、じっくりと読み始めました。

人生の最後をどう迎えたいのか、どこで、誰とを考えているのか

著者の小川糸さんの作品の背景や思いを理解してから、読んでいくと、この話の筋や方向性が見えてきました。

主人公の雫が、なぜ、一人、瀬戸内海の島で、緩和ケアのホスピス施設で人生の最後を送ろうと選択したのか。

ともに生活していく人が、どんな人で、亡くなっていく現実と、今までの人生を振り返る時間。

深刻に考えると、死んでいく物語だとわかりきっているのに、日曜日に出される、本人希望のおやつをみんなで食べる時間の愛おしさ。

人生の最後を、どこで、誰と迎えたいのか、を真剣に考えさせられるストーリーです。

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突然訪れる死、カウントダウン型の死など色々あってもゴールは一緒

人間は、生まれてきた以上、毎日、確実に死に向かって歩んでいます。

ここだけは、誰もが一緒の話。問題は、その長さやゴールを自らが知ることはない、という事実。(生まれてきたのも、本人の意思とは言えないかもしれないけれど)

突然訪れる死もあれば、残りの時間を告知されてカウントダウン型の死を迎える場合もあります。

どちらがいい、悪いの話ではなく、誰にでも、その瞬間は訪れるという現実。

それだけに、この本の雫のように、苦しいがん治療を続けても、治癒できずに、残りの時間を家族に迷惑をかけないで過ごそうと思う人が、彼女のような選択をするのも理解できます。

エンディングが見えている小説を読み進めるのは、大河ドラマの最終話を知って見ているのと同様に、ラストが近づくと複雑な気持ちがするものです。

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私の祖父が、突然にこの世を去る前に何を見たのだろう

私の母方の祖父が亡くなったのは、私が中学2年生の12月1日。

若い頃、自転車に乗って坂道を降っていて、車と衝突して以降、足が不自由な生活を送っていた祖父。

話はしてくれるものの、一緒に出かける時は、杖をついて、私が手を添えて歩くような状態でした。

80代を越えて、明らかに体力も衰えていたものの、日常生活はギリギリ送れており、食欲もあったのを覚えています。

亡くなる直前に

「そこにいる子ども!こっちにおいで」

と口にしたのが最後に聞いた言葉だと聞きました。

祖父の家には、一緒に暮らしている子どもはいなかったので、どんな光景を見ていたのかわかりません。

安らかに死を迎えた祖父は、その日が来ることを意識していたのかも、私にはわかりません。

他の親戚が、病院で亡くなっているのと対比して、自宅で静かに亡くなった祖父は、強烈に印象に残っています。

ライオンのおやつ』の雫のように、穏やかに、この世を去っていく(病院で管に繋がれて、医療機器の機械オンと一緒ではないという意味)死に方を迎えられることは、贅沢な人生のエンディングではないでしょうか。

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何も残らないのではなくて、何かが残って欲しい

小説だけに、まとめが難しいのですが、読了感は、落ち着いた心持ちになれました。

自分が、この世を去った後に、自分のことを思い出してくれる人がいるのだろうか。

自分は、大切な人たちに残せるものは何だろうか。

お金や資産だけでは虚しくて、生きた証や自分の言葉や思いが残って欲しいと。

世の中に、出版したいという人の思いのどこかには、自分の分身が存在し続けて欲しいという気持ちがあるのではないでしょうか。

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投稿者プロフィール

安斎 輝夫
安斎 輝夫
【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。