ナースなどの医療従事者向けのメッセージ本『考えることは力になる』(岩田健太郎・著)は、誰にでも響く1冊

医師が看護師に向けて書いたメッセージ本ですが、一般人にも響く内容という評判を耳にして、考えることは力になる ポストコロナを生きるこれからの医療者の思考法を読んでみました。

なかなか興味深い一冊でした。

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医師と看護師はパートナーのようで役割の違いがある

医療現場において、医師が中心ではありますが、支える看護師の力がなければうまくいきません。

大事なパートナーとしての関係性でありながらも、医師と看護師の行える医療行為を軸として役割の違いがあります。

ただ、役割に縛られてパターン化した行動をしているだけで、何も考えないで仕事をしていたら、ミスも起こります。

そもそも、医療従事者が患者を見ながら、知識や経験などを元に考えて判断・行動することを怠ったら、人の命を救うことはできません。

看護師は杓子定規で考える「非・ロジカル人間」と決めつけてはいけない

考えることは力になる ポストコロナを生きるこれからの医療者の思考法がスレスレの表現をしていると感じたのは、看護師の「マニュアル対応」や既得権益を守ろうとする姿勢を、思考が止まっているかのような訴えの部分です。

大病院であれば、診療科によって看護師の役割分担が明確で組織化されています。

当然、マニュアル的な対応を軸にしないと、均質な看護や医療を支えられない部分はあるのは事実です。

一方で、患者一人一人に違いはあるわけで、対応や判断も自分で考えて行うべきであり、医師の役目と看護師の仕事を明確に線引きしてしまう頑なさ(医療行為の範疇、権限やできることの違いはあるのは当然ですが)は、想像できます。

ただ、この前提は、医師と看護師だけでなく、営業と営業アシスタント、店長と店員の間にも生じるような役割の違いによる、立場の差の話。

大事なのは、その都度、考えて行動しているのかどうか、決まっていることだけを守ることに固執してはいけないという主張だと理解しました。

どうも、看護師は、ロジカルな考えができていないのではないだろうか?という仮説を、岩田健太郎さんが語りながら、世の中の全ての人に、考えることの力を伝えている一冊でした。

看護師が常にロジカルに考えて行動するのは無理がある

患者と向き合う時間が多いのは看護師だけに、人と接している時間帯に、ロジカルな考え方を用いてばかりはいられないのでしょう。

Whyが大事だというのは、わかっても、患者の状態や会話の中で、「なぜですか?」「どうしてですか?」を繰り返されたら嫌になるでしょう。

もちろん、看護師から質問される医師だって大半は、面倒臭いと感じるはず。

質問魔タイプは、あしらわれてしまう場面が多く、組織や場の空気を読めない人として扱われがちです。

もちろん、医療従事者として看護師が、専門知識や手順を守って行動するのは当然の話。

この際に、いちいち考えて行動していたら、遅くなる場面もあるでしょう。

むしろ、日頃の中で、気づいた違和感や無駄、疑問をしっかりとぶつけて確認する、場合によっては改善するためのアプローチまで辿り着けるかどうかなのです。

日頃、忙しく業務に取り組む中で、そんな余裕はないというのが看護師、医師の本音なのだと思います。

岩田さんは多少変わった方なので、ここまで断言しきれるのだと、私は思います。

考えてみないとわからない!〜母の危機的状況を思い出す〜

私の母親が体調を崩して、当時、通っていた病院に足を運び、診察を受けました。

風邪や既往症(高血圧)の問題だと片付けられて、いつもの診察と薬を処方されている間に、待合室のソファーでぐったりと横になったそうです。

その時、病院の看護師が母親に言ったとされる言葉が印象的です。

「申し訳ないですが、この病院では、あなたの病気や状況が正しく把握できていないようです。もう少し規模の大きな病院で精密な検査を受けてもらうのが良いと思います。お一人で厳しければ、どなたかと一緒に行かれた方がいいです。」

ますます状態が悪化していく母親を見て、その病院の判断で、救急車を呼び、大きな病院へ転送されていくことになります。

主治医は、軽く判断して、患者の様子や状態を見切れずにいたのは事実です。(誤診云々の話ではなく、油断の話です)

そばで見ていた、看護師が、母親の状態の異常さに気がついて、投げかけた言葉の背景には、見た目、動き、言動などトータルで、このままでは危ないという思いで、自院から他に行くように勧めるような言葉を投げかけたのだと思います。

謁見行為や単独行動を叱る方もいるかもしれませんが、あの時、適切な判断をしなければ、私の母親の命に関わる大問題が迫っていました。

転送された病院で、検査を重ねて重篤な状態に陥り、長期入院や手術をしばらく繰り返す展開になりました。

あの時の看護師さんには組織の論理よりも、観察と感性、ロジカルな判断ができていたと言える話だと考えます。

どんな仕事、役割でも考え抜くしかない!

岩田さんの立場としては、医療現場をベースにはしつつも、考えることは力になる ポストコロナを生きるこれからの医療者の思考法で伝えたいのは、論理的に考えるという訓練やチェックポイントの方法だったのだと思います。

本来、『エキスパートナース』という専門誌の連載であった内容を書籍にした時点で、誰にとっても必要な知恵や考え方を盛り込んでいるのは間違いありません。

演繹法・帰納法と言われると、難しいとアレルギーを感じる人はいるでしょうが、言葉よりも意味を理解して、活用できれば、考えることの力を行かせるのです。

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安斎 輝夫
安斎 輝夫
【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。