映画「ベートーヴェン捏造」のキャッチコピー「偉大なる天才音楽家・ベートーヴェン。誰もが知るそのイメージは、秘書によるでっちあげでした!」はインパクトが強い言葉です。

歴史上の天才音楽家について、どのように映画作品として仕上げるのか、また、日本人たちで作り上げる世界観はどのようなものになるのか、興味を持って見ることになりました。
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歴史上の人物を掘り下げる作品は切り口次第
映画やドラマなどで、歴史上の人物、偉人や天才を取り上げる場合、自伝的に残された事実を真っ当に積み上げていく場合と、誰かの残した言葉を元に、脚色したものが世に伝わっているケースがあるのではないでしょうか。
映画「ベートーヴェン捏造」は、切り口が、ベートーヴェン本人ではなく、その周囲の人物を軸にしている点がとても良く、やはり、切り口次第で面白くなるかどうかは決まるのだと感じられるのではないでしょうか。
歴史上の偉人の裏側の顔、周囲の暗躍はいくらでもあるはず
アントン・シンドラーによるルートヴィヒ・ヴァン・ベートヴェンの会話帳の改竄に焦点を当てたノンフィクション作品である、『ベートーヴェン捏造 名プロデューサーは嘘をつく』(かげはら史帆・著)をベースにした映画である。
特定の人物、有名人、著名人、偉人とされても、表向きのイメージと称賛される実績・評価に焦点が当たります。
一方で、本人には人に見せられない側面があったり、本人の周囲で暗躍しようと試みた人間が出てくることは避けて通れない
重くなりかねないテーマを、バカリズムが脚本を書き、ヨーロッパの舞台なのに、オールキャスト日本人という点が、どこまでもシュールに感じさせられた。
主演・山田裕貴の良さ、危うさを演じると光る存在
このテーマの作品で、アントン・シンドラーは主人公になるものの、誰が演じるのかは重要なポイントになる。
大物すぎて、ベートーヴェンより目立ってもいけないし、あまりにも薄いキャラだと物語として成立しない。
悪事を働こうというよりも、著名人の取り巻きとして過剰な演出を盛り込んでしまうかもしれない人物を演じるとしたら、山田裕貴さんは適切なキャスティングだったと言えるのではないだろうか。
下積みも含めて、地道にこなしてきた彼だからこそ、アントンの危うさを演じることに違和感を感じずに、むしろ光っている。
今の時代も、暴露本のようなものや、関係者による証言という週刊誌、SNSの怪しい投稿の拡散などを見ても、目的は、メインの相手のはずなのに、情報を世間に広めた関係者が大きな顔をする話は存在する。
もちろん、相手の光の影の存在だと自己認識はありつつも、支えるだけでは物足りないと感じる自己顕示欲との兼ね合いを、自然に演じていた、山田裕貴さんはとても良かったです。
嘘、誇張、捏造、真実はどこにあるのかは問われなければいけない
人生で一度も嘘をついたことがない!
もし、こう断言できる人がいたら、私は心から尊敬するし、あなたも尊敬するのではないだろうか。
規模の大小、影響度の違いはあれど、何らかの話題を誇張して、嘘や推測が混じり、事実と大きく異なることを発信・伝達してしまっている人は多い。
そのうち、事実ではないことが繰り返されるたびに、事実と自分も勘違いしてしまうほど、リアルティのある話に仕上がっているケースもある。
もちろん、事実を追う場面、例えば、裁判などであれば、個人の思い込みや感情を排除して、事実だけをエビデンスとして積み上げていくべきです。
ただ、日常の場面では、脚色が入る話は、誰もが自然に口にし、耳にしているもの。
誰かを貶めるような悪口、虚言でなければ、ネタとして許されている人もいる一方で、嘘つき・詐欺師として批判される人もいる。
結局は、事実でないことによって、誰かが大きく儲けたり、損をすることがあるのか、という点を除外して考えることはできない。
タイムワープ(タイムマシーン)でもない限り、真実は藪の中
果たして、ベートヴェンは、どんな人物だったのか。
残っている音楽は間違いないですが、それ以外のことは作られたエピソードかもしれないし、事実とは違う話も混じっているかもしれない。
映画「ベートーヴェン捏造」の主人公、アントン・シンドラーは、秘書だったという立場を利用して、ベートーヴェンの人物像を捏造したと断罪すればいいものではなく、彼にとっても、自分を世に認めてもらうために、必要なアクションだったとも言える。
最近は、ある程度、知名度が出た方は自伝に残したり、自分の考えを言葉にして、書籍や動画、SNSなどに残す(本人ではなくスタッフ、マネージャー、ライターなどの影武者も関わっていますが)ことで、第三者からの捏造するイメージは省ける時代かもしれません。
ただ、本人の自己認識と、周囲の見る人物像、世間のイメージが必ずしも一致しているとは言えません。
本当のベートーヴェンを知りたいならば、タイムワープ(タイムマシーン)で、当時に行って、直接、本人に会わなければわからないのだと思いますけども。
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投稿者プロフィール

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【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。



