『叱られる力』の後書きが自分に一番ヒットしました!
最近、インタビューを始めてから、阿川佐和子さんマニアになっています。
今まで、様々な方とインタビューをしてきた彼女のスタンス、裏話などを知ることで、気づきがたくさんありました。今の私にとっては、とても参考になるローモデルな存在です。
『聞く力―心をひらく35のヒント 』 を読んでレビューも書きました。
さすがベストセラーだけに阿川節も含めて、聞く力を高めようと誰もが納得できる一冊でした。
こちらの続編として出版された、『叱られる力 聞く力 2 』 を読み終えました。
叱られることがなれてない若者、叱り方がわからない大人たち。
このテーマが語られるようになって、どれぐらいの時間がたったのでしょうか?
一冊を通して、阿川佐和子さんのエッセイのようなライト感と、彼女の人生が垣間みれます。
叱ろうでも、叱られようでもないスタンス。強い主張がないけれども、さわやかな気持ちになれる一冊でした。
私の中で一番ヒットしたのは、「ちょっと真面目な、あとがき」の部分です。
喜怒哀楽について語られています。
すなわち人間は、できるだけ感情的にならず、常に中庸に戻ろうという信念をもってものごとにあたれという教えと理解できます。しかし私はもう一つ別のことに気づきました。それは、この言葉が生まれたはるか二千年以上の昔から、人々は感情のコントロールに苦労していたらしいということです。そう思うと、これは私ごときが悩んだところで解決のつかぬ問題だと、ち笑いたくなってしまいます。(『叱られる力 聞く力 2 』より引用)
そして、冷静沈着に見える若者に対して、優しくも冷静な眼差しの言葉を繋げています。
しかし、私には、どうも誰もが喜怒哀楽の感情を抑え過ぎているせいではないかと思いたくなるのです。普段、抑えているぶん、何か特別な状況に陥ると、その反動かと思われるほどの感情の爆発が起こるのではないか。(『叱られる力 聞く力 2 』より引用)
「感情の爆発」という言葉にビリビリと感じる
自分自身も平穏な人であろうと思っても、どこかで我慢をしていると、あるタイミングで「感情の爆発」に近い状況をまわりに与えているのかも知れないと、気づかれました。
喜怒哀楽。その四つの感情の「喜」と「楽」という、いいとこ取りをすることが、「中庸」への道ではないのではないか。人間には「喜」「楽」だけでなく、「怒」と「哀」も同様に思う存分、発散することが必要なのではないか。幼いうちから四つの感情をバランスよく露呈して、出し惜しみすることなく思い切り泣き、笑い、悲しみ、喜んで、そのときようやく「中庸」の位置を見つけられるのではないでしょうか。私の勝手な見解ではありますが、そんな気がします。(『叱られる力 聞く力 2 』より引用)
20代後半の頃、私も、仕事や生き方に喜怒哀楽は必要というスタンスで生きていました。
周りに対しても、自分に対しても怒りがパワーになっていたり、本気で悔しくて泣いたり、大騒ぎするほど喜んでいましたし、色々と楽しいことに溢れていました。
ただ、怒りのパワーが強すぎる為に、相手に不快な思いを与えすぎてしまい、人間関係やビジネスが壊れるという不都合も何度も味わってきました。
ある日から、冷静に仕事をしようと思い、感情にブレーキをかけてきたし、人を叱ることも、叱られることも避けたり、逃げてきたのは事実です。
阿川さんのあとがきを読みながら、ふと、閃きました。
喜怒哀楽じゃなくて、喜楽哀怒で生きよう、と。
言葉遊びに感じるかもしれませんが、喜・楽が優先で、哀・怒は控え気味にという感覚です。
喜・楽 > 哀 > 怒
楽しく嬉しい感情にはオーバーに、哀しさや怒りは抑制しない程度にあらわすことができたら、もっと楽しい生き方ができるのではないでしょうか?
私のオリジナルな喜楽哀怒だと信じていたのですが・・・。
2017年5月末の日経新聞夕刊「あすへの話題」で、アサヒグループホールディングス会長の泉谷直木さんがエッセイ「心の身だしなみ」で述べました。
2017年05月29日(月曜日) アサヒ泉谷直木の「喜楽哀怒」と井上ひさしの「むずかしいこと」
素晴らしい方と私の考えたことがシンクロしただけでも嬉しい気分になりました。
喜怒哀楽じゃなくて、喜楽哀怒で生きよう、と。
<阿川佐和子さん本>
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【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
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