誰かの役に立てたとき、自分までうれしくなった経験はありませんか?
仕事で困っている人を助けたとき。自分の知っている情報を伝えて、相手から感謝されたとき。落ち込んでいる人の話を聞き、少しだけ表情が明るくなったとき。
ほんの小さな行動だったとしても、「自分のしたことが誰かの役に立った」と感じられると、私たちの心は満たされます。
一方で、人のために動くことに疲れてしまう場合もあります。
「自分ばかりが頑張っている」
「これだけしているのに、何も返ってこない」
「人のことより、まず自分を優先したほうがいいのではないか」
そんな気持ちになることもあるでしょう。
人のために行動することは、自分を犠牲にすることなのでしょうか。それとも、自分自身の人生も豊かにしてくれるものなのでしょうか。
今回は、稲盛和夫さんの名言から、人のために役立つことの意味を考えてみます。
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人のために動くことは、自分の人生も豊かにする
最初に、私の考えをお伝えします。
人のために役立つことは、決して自分を犠牲にすることではありません。
誰かに喜んでもらい、感謝され、人とのつながりが生まれる。その経験によって、自分自身も成長し、生きる喜びや存在意義を感じられるようになります。
誰かのための行動は、巡り巡って自分の人生を豊かにしてくれるのです。
もちろん、自分の時間や体力をすべて使い切るまで、人に尽くす必要はありません。
大切なのは、自分のできることを、自分のできる範囲で差し出すことです。
無理をしない。見返りを求めすぎない。そして、自分にも相手にも心地よい距離感を保つ。
そのうえで、人のためにできる小さな行動を積み重ねていくことが大切なのだと思います。
稲盛和夫が残した「人のため、世のため」という言葉
京セラや第二電電、現在のKDDIを創業し、日本航空の再建にも尽力した稲盛和夫さんは、次の言葉を残しています。
「人のため、世のために役立つことをなすことが、人間として最高の行為である」
この言葉を読むと、社会を大きく変えるような活動や、多くの人を救うような立派な行動を想像するかもしれません。
しかし、私は必ずしも大きなことをしなければならないとは考えていません。
目の前にいる人の話を聞くこと。
自分の経験を誰かに伝えること。
困っている人に声をかけること。
挑戦している人を応援すること。
人と人をつなげること。
こうした日常の小さな行動も、「人のため、世のために役立つこと」に含まれるはずです。
一人の人を少しだけ笑顔にできたなら、それは十分に価値のある行動です。
すべての人を助けることはできません。しかし、目の前の一人のために、自分が持っているものを少し差し出すことならできるのではないでしょうか。
誰かの役に立てた実感が、自分を支えてくれる
人は、自分のためだけに頑張り続けることが難しいものです。
収入を増やしたい。評価されたい。成長したい。自由な時間が欲しい。
こうした自分のための目標も、もちろん大切です。ただ、それだけでは心が満たされないことがあります。
「あなたのおかげで助かりました」
「話を聞いてもらえて、気持ちが楽になりました」
「紹介してもらった人との出会いが、次の一歩につながりました」
このような言葉を受け取ると、自分の存在や経験にも意味があったのだと感じられます。
特別な能力を持っていなくても、自分が歩いてきた道や、過去に悩んだ経験が、誰かの役に立つことがあります。
自分にとっては当たり前の知識でも、それを必要としている人がいるかもしれません。
自分では失敗だと思っていた経験も、同じことで悩んでいる人にとっては、貴重なヒントになる可能性があります。
誰かの役に立つために、完璧な人間になる必要はありません。
今の自分が持っているものを、必要としている人に手渡せばいいのです。
その小さな循環が、「自分にもできることがある」という感覚を育ててくれます。
サードプレイスは、一人ひとりの力を持ち寄る場所
私が主宰している「サードプレイス・ラボ」も、一人ひとりが持っている経験や知識、思いを持ち寄る場所です。
サードプレイスとは、家庭でも職場でもない、第三の居場所です。
そこでは、会社の肩書きや家庭での役割から少し離れて、一人の人間として誰かと出会うことができます。
私は主宰者ですが、私だけが価値を提供しているわけではありません。
ゲストの話を聞いて、参加者が感想を伝える。誰かの疑問に、自分の経験を交えて答える。興味の合いそうな人同士を紹介する。挑戦しようとしている人の背中を押す。
参加している一人ひとりの小さな行動が重なり、サードプレイスという場がつくられています。
誰かの発言が、別の誰かにとって大きな気づきになることもあります。
何気ない会話から新しい企画が生まれたり、仕事や活動につながったりする場合もあります。
人と人が出会い、それぞれの力を少しずつ持ち寄ることで、一人では生み出せなかった価値が生まれるのです。
私は、これこそが「人のため、世のために役立つこと」の一つの形だと考えています。
人のために動くことと、自己犠牲は違う
ただし、人のために役立とうとして、自分が疲れ切ってしまっては長く続きません。
頼まれたことをすべて引き受ける。自分の時間を削り続ける。相手の期待に応えようとして、無理を重ねる。
それでは、人のための行動が苦しくなってしまいます。
また、心のどこかで見返りを期待しすぎると、
「これだけしてあげたのに」
「なぜ感謝してくれないのか」
「自分が困ったときには、誰も助けてくれない」
という不満が生まれます。
誰かのために行動することと、自分を犠牲にすることは違います。
自分ができることを、できる範囲で行う。できないことには、無理をせず「できない」と伝える。すぐに結果や見返りが返ってくることを求めない。
この距離感が大切です。
助ける側と助けられる側は、いつも固定されているわけではありません。
今日は自分が誰かを助けても、明日は自分が支えてもらうかもしれません。
人との関係は、一度のやり取りですべてが決まるものではありません。長い時間のなかで支え合い、力を貸し合うものです。
だからこそ、無理をせずに続けられる関わり方を選ぶ必要があります。
今日からできる小さな行動を考えてみる
「人のため、世のために役立つ」と聞いても、何をすればいいのかわからない人もいるでしょう。
大きな社会貢献やボランティア活動を、いきなり始める必要はありません。
まずは、目の前の人にできることから始めればいいのです。
誰かに「ありがとう」と伝える。
困っている人に「大丈夫ですか」と声をかける。
自分が知っている情報を共有する。
悩んでいる人の話を、結論を急がずに聞く。
挑戦している人の投稿に、応援のコメントを送る。
必要としている人同士を紹介する。
このような小さな行動も、立派に誰かの役に立っています。
自分の行動によって、相手の気持ちが少し明るくなる。相手が次の一歩を踏み出せる。そこから、また別の誰かへ優しさや応援がつながっていく。
その循環が広がれば、世の中も少しずつ変わっていくのではないでしょうか。
誰かのための一歩が、自分の人生も広げていく
稲盛和夫さんの、
「人のため、世のために役立つことをなすことが、人間として最高の行為である」
という言葉は、立派な人間になりなさいという、遠い世界の教えではありません。
今の自分にできることを、誰かのために少しだけ使ってみる。
その小さな行動を積み重ねることが、人とのつながりを生み、自分自身の人生も豊かにしてくれます。
誰かを応援したつもりが、相手の頑張る姿から自分が勇気をもらうこともあります。
誰かに経験を伝えたことで、自分が大切にしてきたものに気づくこともあります。
人と人が関わることで、人生は予想もしなかった方向へ広がっていきます。
自分一人だけのためではなく、誰かのためにも動いてみる。
ただし、無理をせず、自分のできる範囲で続けていく。
それが、人のため、世のため、そして自分のためにもなる生き方なのだと思います。
あなたが今日、目の前の誰かのためにできる小さなことは何でしょうか。
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投稿者プロフィール

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【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。



